
資料8 ◎阪神・淡路大震災における住民活動の事例
(1) 神戸市長田区の事例 戸崎通2丁目の西側のブロックが午後5時頃火に包まれると、戸崎通2丁目自治会長らの呼びかけで、地域住民がバケツや洗面器を集め、燃えやすい軒先の日除けや暖簾をはずし、そしてポスターをはがした。 続いて、バケツリレーによる消火活動を始め、40トンの防火貯水糟から汲み出した水をリレー方式により運んで先頭に集め、まとめて火元にかけ、延焼を防いだ。これには、次第に人が集まり200人を越す住民が参加した。 この過程で、倉庫の破壊により延焼を防止したり、燃えて倒れかかる家屋を火元の方に押し戻して延焼を防ぐ、といった活動も展開されている。 この後、三田市からの応援隊及び神戸市内の消防団の活動も加わり、午後8時過ぎには火勢が衰えたが、住民による消火活動がなければ、火災はさらに拡大し、被害が大きくなっていたであろうといわれている。 (2) 西宮市甲陽園地区の事例 甲陽地区婦人防火クラブは、毎年地区婦人会の中から選出され、防火技術、応急手当技術などの習得や地域の防火活動を行っている。 クラブ員有志は、発災当日の状況から、避難者の食料及び水が必要と考え、クラブ員のほか、日頃から協力関係にある婦人会、市社会福祉協議会約20名の積極的な協力を得て、避難者や希望する住民に4日間毎食500食分の炊き出しを行った。 (3) 北淡町の事例 北淡町では、全3,667世帯中全半壊家屋2,242世帯という多数の被害を出したが、死者は圧死等による39名、火災は1件にとどまった。 この中で、消防団は、住民と一体となって懸命に消火活動や人命救助活動に取り組んだ。消防団は、地域の実情に精通し、倒壊家屋のどの場所で生き埋めとなっているかを素早く察知し、短時間で救助活動を行った。その結果、倒壊家屋の下敷き
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